ご挨拶

 このたび、第16回日本術中画像情報学会を松山市で開催させて頂くことになりました。愛媛大学医学部脳神経外科学講座、地域医療再生学講座の教室員一同、大変光栄に存じます。
 本会は、脳神経外科手術の術中画像情報の意義を明らかにし、その普及を図るために2003年より開催され、今回で16回を数えます。その間、MRI、CT、USの画像情報のみならず、神経内視鏡、蛍光イメージング、電気生理学的モニタリング等の様々な手術支援モダリティの有用性について明らかにされ、その結果は機器の改良や開発につなげられてきました。また前々回の本会では、術中MRIガイドラインが作成され、安全性の向上へも貢献しています。
 今回は、これら機器の導入目的が真に果たされているのか、果たされているのであれば、どのように手術を変えてきたのか、あるいは変える可能性があるのかについて、検討して頂きたいと思います。そこで「不易流行:ふえきりゅうこう」を学会テーマとしました。俳句に関する言葉で、“不易とは基本を守ること”、“流行とは新しいものを導入すること”を意味します。俳句での字数や季語といった原則を守りながらも新しい表現を心がけ、両者両立の新たな境地を目指すことの重要性を説いています。この姿勢は、脳神経外科手術はもちろん、社会全ての領域に通じるものです。
 特別講演として愛媛大学分子病態医学の今村健志教授に「バイオイメージング」、山梨大学脳神経外科学の木内博之教授に「神経内視鏡」に関する講演を頂きます。イメージング技術の進歩の先に見えてくる脳神経外科手術の未来像が描けたらと期待しています。
 本学会のメイン機器は術中MRIやCTです。しかし超音波、内視鏡、蛍光イメージング、血管撮影、モニタリングなどの術中支援モダリティのみならず、術前のシミュレーションも術中画像情報として貢献しています。術中画像情報の管理・統合・編集システム、新しいコンセプトのナビゲーションシステムやロボット手術も益々進歩しています。これら手術支援機器の導入の目的が達成されているのか、更には画像情報が手術の概念を変えていくのかについても言及頂ければ新たな目標が明確になると確信しております。
 また、新たなモダリティの導入に伴う予期せぬ合併症もあり、それらを共有することで、より安全な脳神経外科手術の普及につながります。豊富な経験をお持ちの施設からも、意義深い症例を御紹介頂けることを願います。
 松山市は俳句と道後温泉、松山城がシンボルで、自然や気候に恵まれた変化の少ない文化の街ですが、近年は松山城や道後温泉のライトアップ(期間限定ですが‥)などのアートに新しい風を感じさせてくれます。松山の夏も猛暑が予想されますが、この機会に瀬戸内の魚料理や冷酒とともに、じゃこカツバーガー、鯛めしなどのB級グルメで英気を養って頂けましたら幸いです。皆様の御来松を心より御待ちしております。

久門 良明(愛媛大学大学院医学系研究科地域医療再生学脳神経外科分野)