挨拶

  •  一般社団法人 日本学校保健学会 第70回学術大会へようこそ。
     新年度になって大学構内を歩くと、今月入学したばかりの学生たちが、まるでコロナ禍などなかったかのようにそこここで歓声をあげていたりして、それはそれでよかったのかなと思っています。
     コロナ禍のさなかは、学校経営の根幹たる学校保健の存在感を意識せずにはいられませんでした。誰もが何かを経験し、悩み、考え、実践をされたと思います。グローバルな健康課題であるパンデミックを身近に経験したあと、学校保健のどんなグッドプラクティスの可能性が私たちに見えてきたのでしょうか?
     今回の学術大会のメインテーマは、「集まれ!グッドプラクティス」です。学校・園での良好な実践の普遍性とは何か、児童生徒等の生涯にわたる健康の保持増進のための良好な実践とは何か、グッドプラクティスを支える理論的基盤をどう構築し、どう活用するのか?そういう現場の実践と理論の往還の場を提供できればと考えてのメインテーマです。このメインテーマに沿ったコンテンツを複数用意しましたので、大会中のディスカッションが深まればと願っています。一般演題も、メインテーマに関連する部門を設けます。
     さて、コロナ禍を経て私たちが手にしたものの一つに双方向にオンラインで情報を交換する手段があります。そのことにより時空が縮まって、可能性が大きくなったことがたくさんあります。そこで感染症予防が一段落して、気兼ねなく対面開催が可能になった今、あえてオンライン開催により、コロナ禍以前からある課題にも対応しようと考えました。学術大会の会期は2024年11月15日から17日ですが、一般参加者が多いプログラムは11月16日(土)と11月17日(日)の2日間にまとめてあります。16日はオンライン、17日は対面を中心とした大会運営をします。特にオンライン発表については、発表者と聞き手のリアルタイムでの対話が可能なサイバー空間を用意してお待ちしております。多くの参加者の皆様にとっては初めて接する仕組みと思いますので、会期が始まる約2週間前から、発表の演者に限らず、参加登録をされた方はどなたでも「会場」に入って「下見」ができるように準備をしております。対面参加は従来の形式を踏襲しますが、オンライン参加も可能なように、主なセッションはリアルタイムで配信する予定です。このようにして、異なるモードで多く皆様に参加していただける大会になればと願っております。
     皆様のご参加をお待ちしております。

    日本学校保健学会 第70回学術大会          大会長 伊藤武彦(岡山大学)